卒業生調査からみた大学生の社会的責任と規範意識

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タイトル
卒業生調査からみた大学生の社会的責任と規範意識
タイトル(別表記)
Student's Social Responsibility and Senses of Respect for Rules and Models Through Graduate Surveys
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内容記述

 近年、大学生の社会的責任や規範意識が話題になることが多い。その背景には大学生の社会的な問題行動があるものと考えられる。例えば、2000年代後半に多発したサークルや運動部の学生による婦女暴行事件、都市部の学生を中心とした大麻乱用事件などは記憶に新しい。これらは当時相次いで報道され、世間の注目を集めることとなった。最近であれば、テーマパークでの迷惑行為、アルバイト先での悪ふざけとそうした行為のインターネット上での公開などが世間を騒がせ、当事者である学生や大学の教育責任が追求されている。
 こうした多発する大学生の問題行動を背景としてか、大学教育において学生の社会的責任や、規範意識、倫理観などの育成が注目されるようになった。2008年に出された中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」(以下、「学士課程答申」とする。)では、学士課程を通じて培う学士力を構成する要素のなかで「市民としての社会的責任」と「倫理観」が掲げられており、学士課程教育を通じてそうした態度・志向性の育成が求められるようになった。
 また、このような政府の動きに呼応するように教育実践の場面においても社会的責任や規範意識の育成を意識した指導や教育が行われている。日本学生支援機構が編集している『大学と学生』第86号(平成22年10月発刊)では、「学生とマナー」という特集が組まれ、学生の社会的責任や規範意識の育成に向けた実践事例が複数報告されている。例えば、金沢大学では、新入生を対象に「大学・社会生活論」 という授業科目を開講し、学生の社会的責任の自覚を促しているという。このほか同特集では、
麗澤大学での「道徳教育」や桃山学院大学の飲酒マナーの啓発活動など全部で5大学の実践事例が紹介されている。
 このように、学生の社会的責任や規範意識の育成は注目を集めているが、実際のところ学生はそうした態度・志向性を、大学生活を通じてどの程度身につけて社会に出ているのだろうか。大学卒業生の実態を把握することは、大学の人材育成における課題を見出すことにつながるが、大学生の社会的責任や規範意識等に着目した実証研究は、散見した限りほとんど見当たらない。そこで本稿では、卒業生を対象に行った調査を手掛かりに、大学生が在学中に社会的責任感や規範意識をどの程度身につけて卒業しているのか明らかにしたいと考える。同時に、卒業後の就職先である企業等の回答も踏まえ、社会的責任や規範意識の育成における大学教育の可能性を探りたい。

著者
著者 藤本 佳奈
著者(ヨミ) フジモト カナ
著者(別表記) FUJIMOTO Kana
掲載誌
香川大学教育研究
掲載誌(別表記)
JOURNAL OF HIGHER EDUCATION AND RESEARCH KAGAWA UNIVERSITY
11
開始ページ
55
終了ページ
61
出版者
香川大学大学教育開発センター
出版者(別表記)
Center for Research and Educational Development in Higher Education, Kagawa University
出版年月日
2014-3
ISSN
1349-0001
NCID
AA1197154X
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
出版社版
区分
香川大学
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