『香川大学検定』を用いた自校教育の授業モデルの開発

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タイトル
『香川大学検定』を用いた自校教育の授業モデルの開発
タイトル(別表記)
Development of Own-University Education Model With Kagawa University Test
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内容記述

 近年、多くの大学において、「自校教育」なる取組が積極的に展開されるようになってきた。大川(2006)によれば、「自校教育」とは、「大学の理念、目的、制度、沿革、人物、教育・研究等の現況、社会的使命など、自校(自学)に関わる特性や現状、課題等を中心的な教育題材として実施する一連の教育・学習活動」(大川 2006、11頁)のことである。
 自校教育の歴史はそう古いわけではなく、先駆的に取り組んできた立教大学や明治大学でも、その実施は1997年からである。それがここ10余年の間に急速に展開されるようになってきた背景には、大学のユニバーサル化の進展が深く関係していると考えられる。
 すなわち、大学進学率は2002年に40%に到達して以降も上昇を続け、2009年には遂に50%に達した。この過程で、大学へ進学するのはもはや「義務」だと感じられるようになり、かつ「上」を目指さなければ比較的容易に大学に入学することもできるようになった。寺﨑(2009)の言葉を借りるならば、「そもそも自分が入っている大学自体のことをよく知らない。いわば偶然に大学に入学し、たまたま教室に座っている」「偶然学生」(寺﨑 2009、31頁)が増えてきたのである。これまでも不本意入学の学生 の中には、所属大学に対する「思い入れ」の乏しい学生は少なくなかったが、これに「偶然学生」が加わることで、「思い入れ」の乏しい学生が総体として増えてしまったのだといえよう。
 こうした「思い入れ」の乏しい学生に対し、大学には、(所属)大学とはどのようなところか、そこで学ぶことの意味を考えさせるととともに、所属大学に対するアイデンティティを涵養させる必要が生じた。そこで、初年次教育のコンテンツのひとつとして、自校教育が積極的に展開されるようになってきたのである。
 それでは、自校教育を行っている大学は一体どれくらいあるのだろうか。大川(2009)によれば、2008年時点において自校教育に関する授業を実施している大学は36.5%に及んでいる。特に国立大学は53.2%と、私立大学の35.8%を大きく上回っている。国立大学の実施率の方が高いのは意外な気もするが、国立大学では先述の「偶然学生」よりも、不本意入学の学生への対応として実施されているということなのであろう。
 本学においても、不本意入学の学生をはじめとして、本学に対する「思い入れ」の乏しい学生は少なからずみられる。しかし本学では、自校教育として位置づけられるような教育・学習活動が本格的に行われているわけではなかった。そこで、筆者らは、有志の学生らとともに自校教育のツールとしての『香川大学検定』の開発を2008年度から行ってきた(詳細については、香川大学大学教育開発センター編『香川大学教育研究』第6号を参照)。
 しかし、自校教育のツールとしての『香川大学検定』といっても、その利用は配布レベルにとどまるものであり、教育・学習活動の中で位置づけられていたわけではない。そこで、筆者らは、『香川大学検定』を用いた自校教育の授業モデルの開発に取り組むことにした。本稿は、その一連の過程を記録するものである。
(葛城浩一)

著者
著者 葛城 浩一
著者(ヨミ) クズキ コウイチ
著者(別表記) KUZUKI Koichi
著者 山本 珠美
著者(ヨミ) ヤマモト タマミ
著者(別表記) YAMAMOTO Tamami
著者 白山 淳史
著者(ヨミ) シラヤマ アツシ
著者(別表記) SHIRAYAMA Atsushi
著者 高橋 愛美
著者(ヨミ) タカハシ マナミ
著者(別表記) TAKAHASHI Manami
著者 山田 友幸
著者(ヨミ) ヤマダ トモユキ
著者(別表記) YAMADA Tomoyuki
掲載誌
香川大学教育研究
9
開始ページ
153
終了ページ
165
出版者
香川大学大学教育開発センター
出版年月日
2012-3
ISSN
1349-0001
NCID
AA1197154X
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
出版社版
区分
香川大学
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